1色で描く単色配色のコツ 濃淡だけで世界観をまとめる

こげ茶・薄茶・生成りの茶系1色だけで描いた栗とどんぐりの静物画と、同じ茶色の濃淡5段階の色見本

色をたくさん使って描いたのに、なぜか画面がまとまらないと感じることはありませんか。どの色も主張してしまい、描きたかった雰囲気がぼやけてしまうと、もどかしいですよね。そんなときは、思い切って色を1つに絞ってみましょう。

1つの色みだけで描く「単色配色」は、色選びに迷う時間が減り、作品の世界観がまっすぐ伝わる方法です。今回は、1色でも立体感と空気感を出すためのコツを順番にご紹介します。

単色配色は、1つの色みを濃淡で描き分ける方法です

青系1色だけで描いた夜の港町の小さな風景画。紺色の建物の影、中間の青の空、淡い水色の水面、紙の白を残した窓の灯りが見える。「色みは1つだけ」「明るさと鮮やかさで描き分ける」の日本語ラベル付き
紺、中間の青、淡い水色、紙の白。青1色でも夜の港町が描けます。

単色配色は、青なら青、茶なら茶というように色みを1つだけ選び、その色の明るさと鮮やかさを変えて画面をつくる配色です。たとえば青1色なら、濃い紺、中間の青、淡い水色、ほとんど白に近い青と、段階を変えながら描き分けます。

色みがそろっているので、画面に色同士のぶつかり合いが起こりません。そのぶん形や光の流れが見えやすくなり、「静かな夜」「晩秋の午後」といった作品の雰囲気が、ひと目で伝わりやすくなります。

色を1つ選び、濃淡の見本を作りましょう

スケッチブックに茶色の色鉛筆で塗った5段階の濃淡見本と、水彩で水の量を変えて塗った5段階の見本を上下に並べた図。「色鉛筆は筆圧と重ね塗り」「水彩は水の量」「5段階を作る」の日本語ラベル付き
色鉛筆は筆圧と重ね塗りで、水彩は水の量で、5段階の色の階段をつくります。

まずは描きたい雰囲気に合う色を1つ選びます。秋の木の実や落ち葉なら茶系、夕暮れなら橙系、静かな夜なら青系がおすすめです。

色が決まったら、紙の端に5段階の濃淡見本を作ってください。色鉛筆なら筆圧を弱く、中くらい、強くと変え、さらに重ね塗りで一番濃い段階を作ります。水彩なら、水を多く含ませたごく淡い色から濃い色まで、水の量を少しずつ減らして並べます。

Tip この見本が、1枚の絵で使う「色の階段」になります。手元に置いておくと、塗るたびに濃さを迷わずに済みます。

中間色で広く塗り、濃い色で形を締めましょう

茶系1色で描いた栗の静物画を3段階の工程で並べた図。左は中間の薄茶で全体を広く塗った状態、中央はこげ茶で影と輪郭を締めた状態、右は紙の白のハイライトとごく濃い点を加えた完成状態。「中間色で広く」「濃い色で締める」「ほんの少しのアクセント」の日本語ラベル付き
中間色で広く、濃い色で締めて、最後にほんの少しのアクセントを。

単色配色でよくある失敗は、どこも同じような濃さになり、のっぺり見えてしまうことです。これを防ぐには、色の濃さごとに塗る量の目安を決めておきます。

  1. 中間色で約7割を広く塗る

    画面のおよそ7割は、中間の明るさの色で広く塗ります。背景やモチーフの大きな面を受け持つ、土台の色です。

  2. やや濃い色で2〜3割を締める

    次に2〜3割を、やや濃い色で影や輪郭に使い、形をきゅっと締めます。

  3. ごくわずかにアクセントを置く

    残りのごくわずかな部分に、一番濃い色か一番明るい色を置きます。

栗を描くなら 薄茶で全体を塗り、こげ茶で底の影と丸みを締め、最後にごく小さな光の点を残す、という順番です。この配分を意識するだけで、1色でも奥行きが生まれます。

差し色は、小さなモチーフとハイライトに置きましょう

青系1色で描いた秋の夜の窓辺の絵。全体は中間の青で、窓辺のカップの縁と窓ガラスに紙の白のハイライトが小さく光り、カップの取っ手だけがごく濃い紺で描かれている。「アクセントはごく小さく」「紙の白を残す」「一番濃い色は1か所に」の日本語ラベル付き
紙の白は小さな光の点に、一番濃い色は見てほしい1か所に。

画面のごくわずかに置く一番濃い色と一番明るい色は、単色配色の差し色の役目を果たします。色みは同じでも、明暗の差が大きいところに自然と目が向くからです。

明るいアクセントには、紙の白をそのまま残すのがおすすめです。水彩なら先に塗らない部分を決めておき、色鉛筆なら最初から白い部分を避けて塗ります。器の縁や木の実のつや、窓の灯りなど、小さな光の点がいくつかあるだけで、画面がぐっといきいきします。

Note 暗いアクセントは、どんぐりの帽子やカップの取っ手など、見てほしい小さなモチーフに1〜2か所だけ置きます。あちこちに使うと効果が薄れるので、ここぞという場所に絞りましょう。

迫力より、静けさと空気感で見せましょう

同じ緑系1色で描いた3枚の小さな風景スケッチ(雨の森・苔むした石段・霧の山)を額装して壁に並べた様子。「静けさ」「統一感」「同じ色でシリーズに」の日本語ラベル付き
同じ色で描きためると、並べたときにシリーズとしてまとまります。

単色配色は、たくさんの色を使った絵のような華やかさや迫力では、どうしてもかないません。その代わりに得意なのが、静けさや統一感、しっとりとした空気感です。霧の朝、雨の森、夜の街並みなど、もともと色が少なく感じられる場面と特に相性がよい配色です。

また、同じ色で何枚か描くと、作品シリーズとしてのまとまりが生まれます。緑系で雨の日の風景を3枚、茶系で秋の木の実を3枚というように描きためると、並べたときに世界観がはっきり伝わります。落ち着いた上品な画面に仕上げたいときにも、ぜひ選んでみてください。

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用意するもの

単色配色に必要なのは、選んだ色みの「濃淡の階段」をつくれる色鉛筆です。同じ系統の色が何本もあれば濃さの段階を選びやすく、水彩色鉛筆なら水の量でも濃淡を調整できます。

水彩色鉛筆72色 4.0mmソフト芯の缶ケースセット

水彩色鉛筆72色|4.0mmソフト芯・缶ケース|水彩画・大人の塗り絵

そのまま描けば色鉛筆、水を含ませれば水彩に。筆圧と重ね塗りの5段階に加えて、水の量でごく淡い色までつくれるので、1色の濃淡を広く試したい方に向いています。

¥2,680(税込)

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油性色鉛筆180色 3.3mmソフト芯の缶ケースセット

油性色鉛筆180色|3.3mmソフト芯・缶ケース|塗り絵・イラスト

色数が多いぶん、茶系・青系・緑系それぞれに近い色が何本もそろう180色。同じ色みの中で明るさの違う色を選べるので、濃淡の階段がつくりやすくなります。

¥3,798(税込)

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まとめ

単色配色は、色を1つに絞り、明るさと鮮やかさの違いだけで描く方法です。濃淡の見本を作り、中間色で広く塗って濃い色で形を締め、ごく小さなアクセントを置くと、1色でも奥行きのある画面になります。

まずははがきほどの紙に、好きな色1本で身近なモチーフを描いてみてください。

色を減らすことで、描きたい雰囲気がかえってはっきり見えてくるはずです。

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