類似色配色のコツ 隣り合う2〜3色で主役を引き立てる

黄・黄みの橙・橙の3色の色鉛筆で描いた洋梨とみかんの静物画が白いスケッチブックに置かれ、そばに同じ3色の色鉛筆と小さな色相環の見本が並ぶ、秋の午後の机の上

好きな色を選んで塗ったはずなのに、仕上がってみると色同士がぶつかって、見せたいモチーフが目立たないことはありませんか。色数を増やすほど画面が落ち着かなくなり、どこを見ればよいのか分からなくなってしまいますよね。

そんなときに試していただきたいのが、色相環で隣り合う色だけを使う「類似色配色」です。色同士が自然になじむので、主役の形や質感がすっきり見えてきます。今回は、2〜3色の選び方から、明度差と紙の白を使って主役を引き立てる手順まで、順番にご紹介します。

類似色配色は、隣り合う2〜3色でまとめる方法です

色相環の一部を切り取ったように、黄・黄みの橙・橙の3色を色鉛筆で塗った色見本と、青・青緑・緑の3色を塗った色見本をスケッチブックに上下2段で並べた様子
暖色なら黄・黄みの橙・橙、寒色なら青・青緑・緑。色相環の隣どうしを切り取ります。

類似色配色は、色相環の上で隣り合う2〜3色だけで画面をつくる配色です。たとえば黄・黄みの橙・橙、あるいは青・青緑・緑といった組み合わせです。反対側にある色どうしのように強く主張し合わないので、画面全体にまとまりが生まれ、穏やかで自然な印象に仕上がります。

以前ご紹介した単色配色は、1つの色みを濃淡だけで描き分ける方法でした。類似色配色は、そこに隣の色を1〜2色加えるイメージです。統一感はそのままに、色みのわずかな変化が加わるので、単色よりも温かさや奥行きを表しやすくなります。

洋梨を描くなら 黄だけで塗ると平板に見えがちですが、影側に黄みの橙を重ねるだけで、熟した実のふくらみや日なたの温かさが感じられるようになります。

単色では少し物足りないけれど、色を増やしすぎるのは不安というときに、ちょうどよい配色です。

モチーフに合わせて、使う3色を決めましょう

黄色い洋梨、みかん、柿色の小皿を組み合わせた静物のモチーフを机に置き、その横のメモ用紙に色鉛筆で淡い黄、中間の黄みの橙、濃い橙の3つの色見本を明るい順に並べて塗った様子
色みの近いモチーフを集めて、3色を明るい順に並べておきます。

類似色配色を成功させる近道は、モチーフ選びの段階で、もともと色みの近いものを集めることです。秋なら、洋梨・みかん・柿色の器を組み合わせると、黄から橙の範囲に自然と収まります。青い瓶と緑の葉、青緑の布を合わせれば、ひんやりとした寒色の静物になります。

モチーフが決まったら、次の手順で使う色を決めます。

  1. 軸になる色を1つ選ぶ

    モチーフの中で一番多い色を1つ選びます。これが軸になる色です。

  2. 両隣の色から1〜2色を足す

    色相環でその両隣にある色から、モチーフに含まれる色を1〜2色選びます。

  3. 明るい順に3段階で並べる

    選んだ色を、明るい色・中間の色・濃い色の3段階に並べ替えます。

ここで大切なのが、3色の明るさをはっきり変えておくことです。類似色は色みの差が小さいぶん、明るさまで近いと、すべてが溶け合ってのっぺりした画面になります。

Tip スケッチブックの端に3色を並べて塗り、目を細めて見たときに明るさの違いが分かるか確かめてみてください。
Note モチーフの中に、範囲から外れる色が少しだけ混じることもあります。洋梨の軸の茶色などは、濃い橙を強めに重ねて近い色で表すと、3色の世界観を崩さずに済みます。

明度差と紙の白で、主役を浮かび上がらせましょう

類似色の黄と橙で描いた洋梨の色鉛筆画を3段階の工程で横に並べた様子。左は淡い黄で背景と全体を軽く塗った状態、中央は黄みの橙で洋梨の丸みを重ねた状態、右は濃い橙で影と輪郭を締め、紙の白をハイライトに残した完成状態
明るい色で広く、中間の色で主役を、濃い色で形を締めます。

3色が決まったら、役割を分けて塗っていきます。

  1. 明るい色で全体を軽く塗る

    まず、一番明るい色で背景と画面全体を軽く塗ります。このとき、主役のつやや光が当たる部分は塗らずに、紙の白として残しておきます。色鉛筆は白を後から足すのが難しいので、最初に残す場所を決めておくことが大切です。

  2. 中間の色で主役の丸みを描く

    次に、中間の色を主役のモチーフに重ねて、丸みや面の向きを描き分けます。背景よりも一段濃くなることで、主役が自然と前に出てきます。

  3. 濃い色で影と輪郭を締める

    最後に、一番濃い色を主役の影や輪郭、モチーフどうしが接する部分にだけ置きます。濃い色を使う範囲は画面のごく一部にとどめ、主役の周りに集めるのがコツです。明るさの差が一番大きいところに視線が集まるので、主役がはっきり浮かび上がります。

Tip 仕上がりがぼんやりしていると感じたら、色を足すより先に、影をもう一段濃くするか、ハイライトの白を確認してみてください。明暗の差を整えるだけで、画面がぐっと引き締まります。

また、背景を塗りつぶさずに、主役の周りに紙の白い余白をたっぷり残す描き方もおすすめです。背景は主役の近くだけ淡い色で軽く塗り、外側へ向かって筆圧を抜いていくと、白い紙に自然に溶け込みます。色数が少ない類似色配色では、この白が呼吸する場所になり、主役の色がいっそう澄んで見えます。

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用意するもの

類似色配色に必要なのは、隣り合う色みの中から、明るさの違う色を選べる色鉛筆です。色数の多いセットなら中間の色まで見つけやすく、テーマに沿って色がそろったセットなら組み合わせに迷いません。

油性色鉛筆300色 3.3mmソフト芯の缶ケースセット

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1本ずつにカラー名と番号が刻印された300色。黄と橙のあいだの「黄みの橙」のような中間の色も見つけやすく、隣り合う色みの中で明るさの違う3色をそろえたい方に向いています。

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海と空を描くために選ばれた24色で、青系・緑系が豊富にそろいます。青・青緑・緑のような寒色の類似色配色を、色選びに迷わず試せるテーマセットです。

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まとめ

類似色配色は、隣り合う2〜3色に絞り、明るさの差と紙の白で主役を引き立てる方法です。色みの近いモチーフを集め、明るい色で広く、中間の色で主役を、濃い色で形を締める順番で塗ってみてください。

まずは小さな紙に、果物1つから気軽に始めてみましょう。

隣り合う色だけでまとめると、穏やかな画面の中で主役がすっと立ち上がってくるはずです。

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